息が出来なくなることを

オレは 初めて 知りました



知らず知らずの内に目で追いかけること

オレは 初めて 知りました



じっと見つめて目が離せなくなること

オレは 初めて 知りました





そして これが 恋 なんだと



オレは 初めて 知ったんです













『改めて』









あ、今日も書いてる。

部活が終わって部員が一人、また一人と帰宅している時

部長はすぐには帰らない。

それは部誌を書いているから。

部長は厳しいけれど

でも

・・・・・・とても面倒見がいい人なんだ。

色素の薄い髪から

流れるように動く指から

そのキリッとした瞳から

「跡部景吾」という存在から

オレは目が離せない。

離したくない。

部長に気付かれないようにこっそりと見つめて。

それだけでもオレはドキドキして。

ふいに部長が顔を上げた。

そして辺りをキョロキョロと見回し、オレは部長と視線がぶつかる。

一瞬、息が出来なくなった。


「・・・・おい、長太郎」


「は、はい!」


話しかけられてオレは「ドキッ」とする。


「お前な、今日のアレ、ノーコンし過ぎだ。なってねぇ」


・・・・うぅ。厳しい一言だ・・・。

でも、それだけオレのコト見てくれてたってこと・・・・・だよね?


「もっとコントロールできるように練習しろ」


部長は優雅に構えつつ「ビシッ」とオレに言った。


「分かったか?アーン?」


「は、はい!!すいません!!」


オレは慌てて頭を下げる。

その拍子に部誌がちらりと見えた。

わぁ凄い・・・・びっしり書いてる・・・・・

部長らしいなぁ・・・・・・

やっぱり部員のコトよく見てるよなー

そう思ったら、ちょっと微笑ましくなって「クスッ」と笑ってしまった。

途端に部長が眉毛を「ピクリ」とさせた。


「・・・・なんだ、長太郎。何がおかしい?アーン?」


・・・・・・・あ、ヤバイ。

部長の機嫌損ねちゃった・・・・


「あ、いや、その・・・・部誌めいっぱい書くなぁって・・・・・」


オレの発言に部長は目を見開いた。

そして見る見るうちに真っ赤になる。

・・・・・・・あれ?

部長、もしかして・・・・・・・・・・照れた?


「・・・・バ、バーカ!!勝手に覗き見してんじゃねーよ!!」


そう言いながら、慌てて部誌を覆い隠す。

そのしぐさがいつもの毅然とした部長とは違って見えて可愛かった。


「部長、今の行動・・・何か可愛いですね」


オレの突拍子も無い一言で更に部長は顔を赤くした。


「・・・・バ、バカ言うんじゃねー!!“ 可愛い ”なんて使うなっ!!」


照れてる、照れてる。

照れる部長って可愛いなぁ・・・・・

何だかほんわかした気持ちになって「へらぁ」と笑うオレに向かって


「テメーは明日、通常練習の前に校庭20週だっ!!」


「・・・・・・え、えぇ!?」

そんな・・・・部長、厳しいですよっ!!


「返事はどうした、返事は?アーン?」


とほほ・・・・本当のコト言っただけなのに・・・・・


「さっきの部長は可愛かったのに・・・・・」


「あぁ!?」


「・・・あ、いえ・・・・はい、分かりました・・・・・」


そんなキツク睨まなくったって。

まだそんなに頬を赤くさせてるのにさ・・・・

まぁ、でも

オレの知らない跡部部長の一面が見れたからいいか・・・・













照れる部長の可愛さを

オレは 初めて 知りました



部長も慌てることがあるんだと

オレは 初めて 知りました






そして やっぱり 部長が好きなんだと

部長に恋してるんだと



オレは 改めて 思ったのです













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