なんで お空は 青いの?



なんで ねこは ねこって言うの?



なんで 夜は真っ暗になっちゃうの?





なんで・・・・・・・




なんで 夕焼け子やけになったらバイバイするんだろう



もっともっと一緒にいたいのに




なんで大好きな人達に バイバイ しなくちゃいけないの?




ずぅっと一緒にいれたらいいのにな





ずうっと ずぅっと 一緒に・・・・・・・・














『なんで』









とてとてと歩く僕の手を引いて、りょーちゃんが前を歩く。

さくさくと草を踏んで、大きな木がいっぱいあるトコロに到着した。

そこには古くて大きい神社がある。

とーっても大きくって真っ赤な「とりい」ってゆーのがあって

ここでりょーちゃんとジロと三人で、僕はよく遊ぶんだ。

お母さまは「危ないからやめなさい」ってゆーんだけどね

僕はりょーちゃんとジロと遊ぶのが好きだし、この場所も大好きだから

「危なくないもんっ」ていっつも言うの。

そーやってお母さまとお話していると

りょーちゃんとジロの二人がいつのまにかやって来て「遊ぼー」って言ってくれるから

僕は居ても立ってもいられなくって、直ぐに二人のトコに駆け出して行っちゃう。





今日もいつもと同じように、この大好きな場所に三人で遊びに来た。

ここには木がいーっぱい、いーっぱいあってね

葉っぱがいくつも重なって、緑のトンネルを作ってるの。

何だか秘密基地みたい。

目線の高さより少し上にあった葉っぱを一枚とって、僕はその感触を楽しむ。


「わー!!けーごの持ってる葉っぱ、大きーい!!」


ジロが駆け寄って来て、僕の手の中を覗き込む。

両手ほどの大きな葉っぱ。

僕はそれを持ち上げて、太陽の光で透かして眺める。


「キラキラしてきれーね」


ジロも僕の横で同じように眺めながら。

二人で目を細めて。

ふとよく見ると、その葉っぱには小さな穴が開いていた。


あ・・・・・・・虫さんが食べたアトだ


僕はその穴から太陽を見つめて、そうして何となく思ったことを口にする。


「ねー、りょーちゃん」


「どーした?けーご」


りょーちゃんが僕の方を振り向いた。


「なんで虫さんは葉っぱを食べるのかな?」


そう言ったら、りょーちゃんはちょっと困った顔をした。


「スープとかハンバーグとかも食べるのかな?」


「そんなトコ見たこと無いよー」


ジロがケラケラ笑った。

・・・・・うん、僕も見たことないけど。


「・・・・葉っぱっておいしいのかな?」


虫さんが食べるんだもの・・・・きっとおいしいんだよね。


手に持っていた葉っぱを、僕はおもむろに食べようとした。

そしたら、りょーちゃんが慌てて僕の手を掴んだ。


「やめろよ、けーご!ばっちーぞ!!」


・・・・・・むぅ。


「なんでばっちぃの?こんなにキラキラしてきれーなのに」


「きれーだけど、けーごは食べちゃダメ!!」


「なんでダメなの?」


「ダメだからダメなんだっ!!」


「こんなの食べたらお腹壊しちゃうよー?」とジロも言った。


「なんでお腹壊しちゃうの?」


虫さんはお腹壊してないのに。

きょとんとしている僕に、二人は顔を見合わせて


「けーご、“なんで”ばっかりだー」


「あはは」とジロが笑ってそう言った。

りょーちゃんはなんでか「ムッ」としていて。

「つまんねーコト聞くな」って言って、僕の頭をこついた。

僕にとってはつまらないコトじゃないのに。

すっごく気になるコトなんだもん。





その後は、バタバタ走って「鬼ごっこ」ってゆー遊びをした。

この前りょーちゃんが教えてくれた遊びなんだけど、僕も好きな遊び。

ジロなんていっつも寝てるから簡単に捕まえられると思ってたのに

けっこーすばしっこいんだ。

で、僕が鬼になると、二人とも「わーわー」言って木に登っちゃうから

「ずるいっ!!」って僕はいっつもほっぺたを膨らませて二人に言う。

でね、僕が無理矢理木に登ろうとすると


「けーごは上手に登れないだろー?危ないから登っちゃだめー」


・・・・・・・むぅ。そんなコトないもん。

木登りの練習、爺とやったもの。

僕にだってできるもん。


「なんで・・・・・・」って言ったら

「あー!また“なんで”って言ったー」とジロがケラケラ笑って

りょーちゃんが「“なんで”は禁止!!」って言ってきた。


・・・・・・もうっ!!


「なんで“なんで”って言っちゃだめなのー!?」


二人は顔を合わせて「ニッ」と笑って


「「 なんでもーっ!! 」」


って大声で叫んできた。


「もーう!!」


二人ともケラケラ笑っちゃってさ。

僕はホントに怒ってるのに。

帰ったらお母さまに言いつけてやるんだからっ





いつのまにか夕暮れになっていた。

今日もそろそろお別れの時間・・・・・・・・・

僕はりょーちゃんとジロに挟まれながら、帰り道を歩く。

さっきまで楽しくって面白くって仕方が無かったのに、今は・・・・・・・・

何だかさびしくて、僕は二人の手をぎゅって握った。



そしたらりょーちゃんはちょっと照れながら。



ジロはにっこり笑顔で。



二人ともぎゅって握り返してくれた。




「ねー、りょーちゃん、ジロ」


「んー?」


「なーに?けーご」


両隣りの二人が、僕の顔を覗き込んだ。


「なんで・・・・・・・」


僕が言いかけた途端、りょーちゃんが「ムッ」とする。

・・・・あ、禁止って言われたっけ。




でも・・・・・・・・・


でも、気になっちゃうんだもん。



僕が最近一番「なんで?」って思うコト。





「なんで、バイバイしなくちゃいけないの?」



「「 え? 」」



二人が目をパチクリさせた。




「だってね、だって・・・僕はりょーちゃんもジロも大好きで

 二人と遊ぶのすごく好きで・・・・。なのに・・・・なのに・・・・・・・」



なのに、夕焼け子やけになったらいっつも「バイバイ」しなくちゃいけない。




そんなの、ヤダ。




もっと一緒にいたいのに。



なんで「バイバイ」しなきゃいけないのかな・・・・・・



「こんなに好きなのに・・・・・・・・」



「とぼとぼ」と俯いて歩く僕を見たジロが


「じゃー今日はけーごの家にお泊りするー!!」


「お泊り?」


僕は「パッ」と顔を輝かせる。


「あ!ずりーぞ!!オレもお泊りさせろ、けーご!!」


りょーちゃんも手をブンブン振って僕に言ってくれた。



そんな二人に嬉しくって

今日はずっと一緒だと

今日は「バイバイ」しなくていいんだと



そう思ったら幸せで・・・・・・・・・




「うん!!」




僕は二人に笑いかけた。




そしたら

二人ともちょっと照れたように、だけど僕と同じように笑ってくれた。





「ずーっと、ずーっと一緒だよ」











あぁ よかった




一番気になってた「なんで」が  一コ 減ったよ お母さま













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