『完全無欠のデート』









オレの名はうちはサスケ。

他称秀才美男子のうちはサスケだ。

簡単に言えばモテモテってことだ。

要するに、オレはかっこいい男ってことだ。

自慢てわけじゃないがな。つーか、自慢だ。思いっきり自慢だ。

黄色い声なんて日常茶飯事。ラブレターなんて星の数ほど。

アカデミーの女子なんて皆このオレ様に夢中なのさ。ふふん。

羨ましいか?そうだろう、羨ましいだろう。

思う存分羨ましがって悔しがればいいさ。所詮負け犬の遠吠えってな(ニヤリ)

まぁ、しかし。

そんなアカデミーの王子様ことうちはサスケには何を隠そう、想い人がいる。英語で言ったらラバーだ。

相手は誰かって?

まぁ、そう急かすな。まずは落ち着いてオレ様の話を聞いてくれ。





この前、あふぉの四人組から盗み聞いた情報を下に、

完全無欠の優等生ことうちはサスケはお菓子作りに挑戦した。

が、オレ様としたことが大失敗の連続。

そう成功しなかったのだ。不本意ながら。

なかなか難しいんだよ、あのぷるんとかくるんとかいうお菓子は!

・・・・・・・・コホン。

何故そんなにまでして苦手であるはずのお菓子なぞをこのオレ様直々に日夜練習していたのかというと。

・・・・・・・オレの愛しのラバーにプレゼンツするためだった。

プリティーマイラバーに喜んでもらって、しっかりがっちり彼女のハートをキャッチして

ラブラブ・・・・・・もとい、より彼女との親睦を深めるという素晴らしい計画だったわけだ。

(あ?カタカナ使い過ぎ?いいんだよ。そっちの方がかっこいいって昨日読んだ雑誌に書いてあったんだから!)

本来なら完璧に美味いそのぷるんとかくるんとかいうお菓子を食べてほしかったのだが

実際は大失敗したくりんとかいうのを食べさせてしまった。

(つーか、この瞬間「嫌われる!!!」という衝撃が頭の中を走ったのだが)

しかしながら、案外にも彼女はそれをお気に召してくれたようで、

予想以上に彼女とラブラブに・・・・・もとい、親睦を深めることに成功した。

実に幸せなひと時だった。

彼女の甘い花の香りがオレの鼻先をかすめていき、柔らかな腕がひしとオレに回されて

気付いたらオレに抱きついてきていた彼女。

その嬉しそうな微笑といったら・・・・・!!!

天使を見た。そう、オレは天使を見たのだっ!!

あぁ、もう忘れまいっ。あの感触、あの空気、あの存在!!!

たまらんなっ!!!!

・・・・・・っと。顔が緩んじまったぜ、オレ様としたことが。





まぁ、そういうわけで。

以前よりは親密度がアップしたわけだ。えっへん。

流石は完全無欠優等生のオレ様。

計画したことは常に成功させる。素晴らしい行動力だと思わないか?思うだろ?

オレに惚れただろ?メロメロだろ?分かるぜ、オレは自他共に認める美形だからな。

でも残念だったな、何度も言うがオレにはもうラバーがいる。諦めるんだな。

え?勘違い?・・・・・・フッ。お前、気付かないうちにもうオレに惚れてるんだぜ?(ニヤリ)





さて。

ここからが今回のミッションの本題だ。

折角オレの家に呼んで、あの日はそれなりに進展した(と思いたい)オレと彼女の関係を

より深く、よりラブラブ化させるためには・・・・・・・

よ、ようするに・・・・・・その・・・・・・・

ほ、本当の意味で「彼女」「彼氏」の関係になるためには・・・・だな・・・・・・・

更なるミッションを実行に移さねばならないというわけだっ!!

最終的には恋人関係にまで発展させることが目的だからな。

これは大事だっ!!このミッションこそ失敗は許されないっ!!!

この前のような可愛い失敗も許されないのだ。

失敗即ち失恋だからな。

それだけは絶対阻止だ。何が何でも避けなくてはならない結論だ。

だって、そうだろ?

失恋なんてしてみろ。

立ち直れないって、オレ・・・・・・

そ、そんなわけで!!!

どんな逆境に遭おうとも、オレ様は必ず成功を収めるっ!!!

つーか、オレ完全無欠の優等生だしっ!!失敗なんて確率無いしっ!!有り得ないしっ!!

と、自分をマインドコントロールして勇気が出てきたこところで今回のミッション。


「偶然を装ってドキドキデート」だ!!!!


ネーミングセンスがイマイチとか、そういうベタなツッコミはするなよ?

夜中必死になって考えたんだから。

それでなくても口下手なオレ。

デートをすることで、教室では分からないオレのよさを彼女にアピールすることができるのだっ!!

なんて天才っ!!なんて頭がいいんだ、オレ様はっ!!

自分のこの素晴らしい発想力には舌を巻くぜ、ホントに。

このミッションで大事なことは、そう。「偶然を装う」こと。

なんでそんな風にするのかというと、口下手なオレがデートなんて誘えるかってことと

偶然じゃなきゃ一緒に歩くなんてこっ恥ずかしくてできるかってことだ。

このミッションがうまくいけば、絶対親密度アップだ。間違いない。








「見て見て。サスケのヤツ、“間違いない”とかほざいてるってばよ」


「・・・・・だから指差すのはやめろって。難癖つけられるぞ、ナルト」


「だって、シカマルも気になんないってばよ??あれ、絶対頭おかしいってば」


「もういいだろ、サスケなんて。この前いのに愚痴られてオレはぐったりしてんだよ・・・・・・」


「おーおー。今日もシカちゃんはご機嫌斜めでちゅかー?」


「・・・・・キバ、お前を殴りたいと今初めて心の底から思ったよ」


「シカマルってば、いのが好きなら好きって言っちゃえばいいんだってばよー」


「!!!バ、バカ!!お前は声がでけぇっつってんだろーが!!!!」


「ナルトもそう思う〜?僕もそう思うんだよねぇ。じれったいよね、シカマルって」


「・・・・・・チョ、チョウジまで何言い出すんだよっ」


「まー、オレ的にはからかいのネタになるからどっちでもいいけどなー」


「・・・・・キバ、ホント殴っていいか?」







むむっ。またしても後ろの席であのあふぉ四人組が五月蝿いな。

ったく。何しにアカデミーに来てやがんだか。


「・・・・・・・・・」


「サスケ君、どうしたの?」


隣に座るサクラが不思議そうな顔をしてオレに尋ねてきた。


「・・・・・いや、何も」


オレは思考回路をヤツらから戻して、更に思いに耽る。

この作戦が成功したら。

オレはきっとアイツたよりも山中と仲良くなれる。仲良くなれる。仲良くなれる・・・・・


「・・・・・・・・間違いない」













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